「命を乗せるタイヤ」、そんな言い方をすることがあります。普段あまり意識することはないかもしれませんが、タイヤはクルマの走行性能や安全性にとても重要な役割を果たしています。タイヤは路面と接している唯一の部品で、クルマの「走る、止まる、曲がる」という基本性能と安全性に関わるこの3つの要素をすべて担っています。また、走行中の快適性を保つという役目を果たしていることも見逃せません。
そんなタイヤは消耗部品ですから、摩耗したり劣化が進めば交換が必要になります。では新品に交換する際、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。今回は、タイヤ交換にかかる費用の内訳と相場、タイヤ本体の価格の相場、さらに交換費用を抑える方法や交換のタイミングまで詳しくご紹介します。
タイヤ交換には、タイヤの購入代金とタイヤ交換工賃が必要になります。まずはタイヤですが、同じ銘柄であればサイズによって価格が異なります。基本的にタイヤ径が大きくなり、タイヤ幅が広くなれば価格は高くなります。一方、同じサイズであっても、リーズナブルな価格設定の製品から優れた性能を実現したプレミアムタイヤまで選べる場合には、価格にも幅があります。
例えば、軽自動車に多い155/65R14サイズを例にとってメーカー希望小売価格(税込)を見てみると、軽自動車専用のプレミアムタイヤ「REGNO GR-Leggera」は16,500円。一方、優れた低燃費性能を実現する「ECOPIA NH200 C」は13,090円と、1本で3500円近い差があります。プレミアムタイヤとベーシックタイヤを比べれば価格差はさらに広がりますし、より大きな径で幅が広いタイヤなら価格はかなり異なります。
そしてタイヤの購入以外に必要なのがタイヤ交換に伴う工賃です。タイヤ交換には以下のような作業が必要です。
このような「タイヤの脱着」「タイヤの組み替え」「ホイールバランス調整」「ゴムバルブ交換」にそれぞれ工賃・料金を設定し、さらにタイヤ交換のセット工賃を提示していることが多いようです。そしてトータルの交換工賃は、14インチ、18インチといったタイヤ径の大きさに応じて決められているのが一般的。乗用車であればやはり軽自動車が安く、大型のSUVや高性能スポーツのタイヤ交換は料金が高くなります。
新品タイヤ購入とともに4本を交換した場合は、14インチ、15インチといったサイズの軽自動車なら1万円前後が相場ですが、20インチ前後の大径タイヤになると3万円を超えることもあります。なお、タイヤを別途購入し、タイヤ交換だけを依頼すると持ち込み料金となるため、1.5倍からそれ以上の料金となることがあります。
タイヤ交換にあたっては、交換工賃のほかに外したタイヤの廃棄処理料が1本300?500円ほどかかります。また、パンクしても所定の速度で所定の距離内であれば走行可能なランフラットタイヤの交換や、タイヤ空気圧モニタリングシステムの空気圧センサーを備えたホイールを使用している場合は、工賃が高くなります。ちなみに店舗によってはタイヤの内部から外へ抜けにくい性質がある窒素素ガスを空気の代わりに充填する作業を用意していますが、これもプラスアルファの料金設定となります。
最初にタイヤの重要性について触れましたが、同様に「タイヤ選び」も重要です。タイヤには「直進安定性能」「ドライ性能」「ウェット性能」「静粛性能」「快適性能」「低燃費性能」「耐摩耗性能」といったさまざまな性能が求められますが、より楽しく走れるようにグリップ力を高めたり、快適性にこだわったりと、タイヤにも商品特徴があります。そのため、タイヤを選ぶ際にはクルマに合っているかはもちろんのこと、普段のクルマの使い方も考慮することが大切です。ここでは、商品特徴にフォーカスしてタイヤを大まかに分け、おすすめのポイントや相場をご紹介します。
さて、それではタイヤ交換を行う場合、どんなお店に頼めばいいのでしょうか。クルマの整備等に携わっているお店であればタイヤの購入はできそうですが、交換となるとタイヤチェンジャーやバランサーといった専用機器が必要です。そういった設備が整った場所として挙げられるのは以下の5つですが、どのようなメリット、デメリットがあるのか説明しましょう。
ところで、タイヤを買うならネット販売が安いという話をよく聞きます。他の商品と同様その通りで、お目当てのタイヤを検索すると魅力的な価格が目に飛び込んできます。けれどタイヤの場合は大きな問題があります。それは設備のある業者に交換作業を依頼する必要があるということです。DIYでタイヤ・ホイールをクルマから外すことはできても、「組み替え」はまず無理。ですからネット販売を利用した場合は、交換作業だけ業者に依頼することになりますが、持ち込み料金となることが多いため工賃は1.5倍からそれ以上かかるようです。タイヤだけを購入し別途作業を頼むときには、そのあたりも考慮したほうがよさそうですね。
こういったネット購入とはまったく違いますが、タイヤ選びや作業予約はスマホで済ませて、あとは予約日に取り付け店舗へ出向くだけ、というタイヤ交換の方法があります。それがブリヂストンの新しいタイヤの買い方「Mobox」。それだけでなく「Mobox」は、タイヤ本体、交換工賃のほか、パンク補償と各種メンテナンスがコミコミで月定額制。まとまった金額の用意と余計な出費の心配がないのが大きな魅力です。さらにブリヂストンのタイヤ専門店から選ばれた接客・作業品質の高い店舗が参加するネットワークであるB-select参加店で取り付けを行い、メンテナンスも担当します。「そろそろタイヤ交換かな」という方は、「Mobox」を検討してみてくださいね。
タイヤ交換についてさまざまな角度からご説明しましたが、タイヤがどんな状態になったら交換すべきなのかがよくわからないという方もいらっしゃると思います。重要なのはすり減り具合。タイヤがどの程度まで減ったら、交換しなければならないのかということにはちゃんと決まりがあります。
タイヤには、残り溝が溝深さの使用限度である1.6ミリになる目安として「スリップサイン」が設けられています。摩耗したタイヤで走ると危険なため、スリップサインがタイヤの周上で1ヵ所でも露出すると、そのタイヤは使用してはいけないことが法律で定められています。
なお、スタッドレスタイヤにも同様にスリップサインがありますが、これとは別に「プラットホーム」があります。溝の深さが新品時の50%に減ってプラットホームがタイヤの周上で1ヵ所でも露出すると、冬用タイヤとしては使用できません。ただし、50%以上摩耗した冬用タイヤでも、スリップサインの露出までは夏用タイヤとして使用できます。
もちろんタイヤのコンディションについては、ひび割れやキズなどそのほかの劣化具合も重要です。タイヤの損傷は不用意にぶつけてしまったり、走行中に異物を乗り越えたり、長期間の使用などさまざまな原因で発生します。バースト(破裂)の原因にもなりますので、定期点検が必要。さきほどご紹介した「Mobox」は、タイヤの無料点検もセットになっていますので、いつ交換すればいいかもしっかりアドバイスします。
タイヤ交換は、パンクなどのトラブルを除くと4本同時に行うのが一般的です。それゆえクルマの部品交換の中では思いのほか高額なものと感じることでしょう。できるだけ出費を抑えたいところではありますが、とても重要なパーツです。日頃は空気圧点検を含めこまめにコンディションに気を配り、交換の際には安心して作業を任せられるお店で、クルマと用途にぴったりのタイヤを選んでくださいね。