最近の乗用車には搭載されることが少なくなっているので、「スペアタイヤってなに?」というドライバーのみなさんもいらっしゃるかもしれませんね。もちろん「パンクしたときに交換した経験があるよ」という方も少なくないはず。今回は、スペアタイヤについてその種類や装着方法、さらには搭載が減少している理由や、スペアタイヤに代わって普及しているパンク応急修理セットなどについてご紹介します。
バッテリー上がりと並んで頻度の高いクルマのトラブルといえば、タイヤのパンクです。2020年におけるJAFのロードサービス出動理由を調べたデータでは、1位が全体の43%を占めるバッテリー上がり、そして2位が33%のタイヤのパンクと続きます。パンクは思いのほか身近なトラブルなのですね。パンクのほかにもタイヤが破裂するバーストやホイールのボルト穴の変形によるガタツキなど、タイヤ・ホイールの交換が必要となるケースはほかにもいろいろとあります。
それゆえクルマを運転するドライバーはタイヤのトラブルに備える必要がありますが、損傷したタイヤの代わりに使用するためクルマに搭載されているのがスペアタイヤです。緊急を要するシチュエーションですぐに交換を行えるよう、タイヤがホイールに組み込まれた状態でトランクルーム(ラゲッジルーム)やリアのアンダーパネルに吊り下げられていることが多く、クルマによってはエンジンルーム内に収められていることもあります。
タイヤ・ホイールはクルマの部品としてはとても大きく重い部類に入るので、よりコンパクトに収納できるよう1970年代には応急用タイヤの開発が進み普及しました。しかしさらなる軽量化に対する要求などにより、現在は一時的な走行を可能にするパンク応急修理キットが応急用タイヤに取って代わりつつあります。
さて、スペアタイヤにはいくつかの種類がありますので、まずは簡単にご紹介します。
スペアタイヤは標準タイヤと同じようにゴムが素材ですので経年劣化します。ただしクルマのトランクルーム等に収められているテンパータイヤは常に使用しているタイヤよりも寿命が長く、7?10年ほど使用できると言われています。アンダーフロアに吊り下げられ車外に露出しているスペアタイヤの場合は、それよりも使用期限が早まる可能性があります。
最近はクルマを長く乗り続ける傾向にあるので、もし10年以上クルマにお乗りになられていてスペアタイヤの交換をしたことがないなら、一度点検したほうがいいかもしれません。また、スペアタイヤも空気は少しずつ抜けていきますので、定期的に空気を充填することをおすすめします。
一方、スペアタイヤを装着し走行する場合は、通常のタイヤに比べタイヤの寿命はとても短く、そのまま長期にわたって使用できるわけではありません。あくまで標準タイヤヘの交換ができる施設までの緊急用であることを忘れないでください。
パンクなどタイヤのトラブルはいつ起こるかわかりません。また、駐車スペースなどへ移動できる場合は不幸中の幸いと言えますが、路肩にクルマを停めて作業するのであればより注意が必要です。周囲に気を配り、さらなるアクシデントを誘発しないためにも、スペアタイヤの交換方法を確認しておきましょう。
さて、冒頭に記したように最近はスペアタイヤを搭載するクルマが減少しています。代わりにパンク応急修理キットを搭載することが増えていますが、どうしてなのでしょうか。これについてはいくつかの理由を挙げることができます。
万が一のトラブルに対する備えとして必要な装備というイメージが強いため、スペアタイヤの搭載は必須、つまり法規等で定められた義務だと思われがちですが、じつはそうではありません。車検の際もスペアタイヤを装備する必要はありませんし、最近では新車にスペアタイヤが搭載されていないことも珍しくありません。
よってスペアタイヤを搭載していなくても何ら問題なくクルマを使用することができるのですが、ここで大事なのはもしパンクしてしまったときにどうするかということです。何も備えがなければレッカー車を呼んで対応できる施設まで移動するというのが一般的ですが、それを回避するためにスペアタイヤへの交換に代わる備えを行っているユーザーも少なくありません。
スペアタイヤの搭載が減少している現在、タイヤのパンクへの対応策として主流になっているのはパンク応急処理キットです。これは純正装備として採用されていたり、オプション装備として用意されているほか、アフターパーツとしてもさまざまな種類が販売されています。スペアタイヤに比べれば場所をとらず軽量で、使い方も比較的簡単なことから普及が進んでいます。
パンク応急処理キットは、まずパンク修理剤をエアバルブからタイヤ内部に注入し、一時的にエア漏れを止めます。そしてエアコンプレッサーを使用して空気を適正圧まで充填し、走行できるようにするものです。ただし忘れていけないのは、あくまで応急処置であること。走行スピードは抑えなければなりませんし、長距離を走ることもできません。あくまで、適切な対応ができるタイヤ専門店等へたどり着くまでの処置となります。
スペアタイヤがパンク応急処理キットに取って代わられているのが現状ですし、スペアタイヤの搭載が減少している理由もお分かりいただけたと思います。しかしそれを踏まえても、パンク応急処理キットが大きなタイヤの損傷やバーストなどには対応できないことや、パンク応急処理キットの使用によってパンクの内面修理が難しくなる場合があることも考慮すると、スペアタイヤの有効性にも目を向ける必要はありそうです。
現在でも、クルマを注文する際にオーダーできるメーカーオプションとして、スペアタイヤが選べる場合があります。もしより安心感をもってパンクなどタイヤのトラブルに備えたいのであれば、それは積極的にスペアタイヤ搭載を選ぶ理由になり得ます。
このようにタイヤトラブルへの備えは近年大きな変化を見せていますが、いったんパンクしてしまうと大きな出費につながる場合がありますね。パンク箇所や内部損傷の程度などによってパンク修理ができない場合は、残念ながらタイヤ交換となってしまいます。そんなときでも突然の出費に慌てることなくスムーズにタイヤ交換できるのが「Mobox」です。
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